• はじめに

日本では、自転車は「軽車両」として法律上は車道を走ることが原則とされています。

しかし、実際には歩道を走る自転車も多く、歩行者とのトラブルや事故が後を絶ちません。

では、自転車は本当に車道を走るべきなのでしょうか？

この問いについて、法律、安全性、都市環境、そして利用者の視点から考えてみましょう。

■法律の観点から

道路交通法では、自転車は原則として車道の左側を通行することが定められています。

ただし、例外として「自転車通行可」の標識がある歩道や、13歳未満・70歳以上の高齢者、

身体の不自由な方などは歩道を走行することが認められています。

この法律の背景には、自転車が車両であるという認識と、

歩道での歩行者との接触事故を防ぐ目的があります。

■安全性の観点から

車道を走ることは、理論上は安全性を高めるとされています。

車両同士の動きが予測しやすく、交通の流れに沿って走ることで事故のリスクを減らせるという考え方です。

しかし、現実には車道の幅が狭かったり、自転車専用レーンが整備されていなかったりする場所も多く、車との接触の危険を感じる利用者も少なくありません。

特に交通量の多い都市部では、心理的な不安が大きな障壁となっています。

■都市環境の観点から

欧州の都市では、自転車専用レーンの整備が進んでおり、自転車が車道を安全に走れる環境が整っています。

日本でも一部の都市では整備が進んでいますが、全国的にはまだまだ不十分です。

都市設計の段階から「自転車が走る場所」を明確にすることが、今後の課題と言えるでしょう。

■利用者の視点から

自転車利用者の多くは、「安全に、快適に移動したい」と考えています。

歩道を走ることで歩行者とのトラブルが起きる一方、車道では車との距離が近くて怖いという声もあります。

このジレンマを解消するには、利用者の声を反映したインフラ整備と、交通ルールの周知徹底が必要です。

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